株式投資の基本指標:PER、PBR、ROEを理解しよう

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本記事では、株式投資における代表的な3つの指標「PER(株価収益率)」「PBR(株価純資産倍率)」「ROE(自己資本利益率)」について詳しく解説します。

株式投資を始める際、初心者が最初に悩むのは、どの企業の株を選べば良いのかという点です。その答えを見つけるためには、株式の「基本指標」を理解することが不可欠です。それぞれの指標を正しく理解し、活用することで、より賢い投資判断ができるようになります。


1. PER(株価収益率)とは?

**PER(Price Earnings Ratio)**は、日本語で「株価収益率」と呼ばれ、株価がその企業の利益に対してどれだけ高いか、または安いかを示す指標です。計算式は以下の通りです。

PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)

例えば、ある企業の株価が1,000円で、1株当たり利益(EPS)が100円の場合、PERは以下のようになります。

PER = 1,000 ÷ 100 = 10

この場合、PERは「10倍」となります。この数値が示すのは、「現在の株価はその企業の1年分の利益の10倍である」ということです。

PERの目安

  • 一般的に、PERが低い(15倍以下など)と割安とされ、逆に高い(30倍以上など)と割高と見なされることがあります。
  • ただし、業界ごとの平均PERに違いがあるため、同じ業種内で比較することが重要です。例えば、ITや成長株の企業はPERが高くなる傾向があります。

PERの活用法

PERを使えば、株価が企業の利益に対してどれだけ割高・割安なのかを判断できます。ただし、過去の利益だけを基準にしているため、将来の成長性を十分に反映していない場合がある点には注意が必要です。


2. PBR(株価純資産倍率)とは?

**PBR(Price Book-value Ratio)**は、日本語で「株価純資産倍率」と呼ばれ、株価がその企業の純資産(株主資本)に対してどれだけ評価されているかを示す指標です。計算式は以下の通りです。

PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)

例えば、ある企業の株価が1,000円で、1株当たり純資産(BPS)が500円の場合、PBRは以下のようになります。

PBR = 1,000 ÷ 500 = 2

この場合、PBRは「2倍」となります。この数値が示すのは、「企業の純資産の2倍の価格で株が取引されている」ということです。

PBRの目安

  • PBRが1倍以下の場合、純資産と同等かそれ以下の株価で取引されていることを意味します。この場合、一般的に割安と見なされることがあります。
  • ただし、PBRが低い場合、企業の将来性が低いと市場で判断されている可能性もあるため、安易な判断は禁物です。

PBRの活用法

PBRは、企業が持つ「実質的な価値」に基づいて株価を評価する際に役立ちます。特に、不動産や金融など資産が重要な業界ではPBRが重視される傾向があります。


3. ROE(自己資本利益率)とは?

**ROE(Return On Equity)**は、日本語で「自己資本利益率」と呼ばれ、企業がどれだけ効率的に自己資本を使って利益を生み出しているかを示す指標です。計算式は以下の通りです。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)

例えば、ある企業の当期純利益が1,000万円で、自己資本が5,000万円の場合、ROEは以下のようになります。

ROE = 1,000 ÷ 5,000 × 100 = 20%

この場合、ROEは「20%」となります。この数値が示すのは、「自己資本100万円あたり20万円の利益を生み出している」ということです。

ROEの目安

  • 一般的に、ROEが高い(15%以上など)ほど効率的に利益を生み出しているとされます。
  • ただし、自己資本が少ない企業ではROEが高くなりがちなため、財務健全性も合わせて確認することが重要です。

ROEの活用法

ROEは、企業が「株主から預かったお金をどれだけ効率的に使っているか」を見る上で非常に重要な指標です。特に株主にとっては、投資のリターンを直接的に判断する材料になります。


4. 3つの指標を組み合わせて活用する

PER、PBR、ROEはそれぞれ異なる観点から企業の状況を評価する指標です。これらを組み合わせて活用することで、より多角的に企業を分析することができます。

組み合わせ例

  • PERが低い & PBRが低い:割安な企業の可能性があります。ただし、低PER・低PBRの理由を分析する必要があります。
  • ROEが高い & PERが低い:効率的に利益を生み出しているにもかかわらず、株価が割安な場合は、投資のチャンスである可能性があります。

注意点

  • いずれの指標も単独では完璧な判断基準にはなりません。企業の業績推移や将来性、業界動向なども併せて分析することが重要です。

5. まとめ

PER、PBR、ROEは、株式投資において欠かせない基本的な指標です。これらを理解し、正しく活用することで、投資判断の精度を高めることができます。

また、これらの指標は単独で見るだけでなく、企業の業績や財務状況、業界の平均値などと比較することで、より深い洞察が得られます。ぜひ、本記事で学んだ知識を活かし、あなたの投資活動を成功に導いてください。

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